行司の掛け声について解説。「はっけよい、残った」の意味とは?
土俵上で、行司は様々な声を発してますが、
一体どんな時にどんな掛け声を
発しているのでしょうか?
そして、こうした掛け声には
一体どのような意味があるのでしょうか?
今回は、行司の掛け声について、
「はっけよい、残った」の意味を中心に
ご一緒に考えてみましょう。
行司の掛け声にはどのようなものがあるのか
行司の掛け声の中で、最も有名なのは、
「はっけよい、残った、残った」
ではないでしょうか。
ただこの「はっけよい~」の他にも
行司の掛け声には様々なものがあります。
では、この「はっけよい〜」の他には、
行司はどんな掛け声を発しているのでしょうか。
主に以下のようなものがあります。
例えば、
・時間前:
「見合うて」
「構えて」
・制限時間後:
「時間です」
・立合時:
「待ったなし」
「手をついて」
「腰を下ろして」
このようなものがあります。
そして、取組中には
「はっけよい」
「残った」
などの掛け声があります。
意識して聴くときちんと聞き取れるのですが、
改めて何を言ってるのかを問われると、
きちんと覚えている方は
かなり限られてくるのではないでしょうか。
秋場所の取組は、こうした掛け声を意識して
相撲観戦をしてみるのも一興ですね。
掛け声「はっけよい、残った」の意味は?
では、行司が発する掛け声として、
最も記憶に残っている
「はっけよい、残った」という言葉には、
一体どのような意味があるのでしょうか。
この言葉を説明するものには諸説あります。
まず、「はっけよい」とは、
力士が動かずに止まっている時に
発する掛け声とされています。
そこで、1つ目の説では、
「はっけよい」とは「発気揚揚」
という言葉から来ているとする説です。
しかし、この説は
第二次世界大戦中に出てきた説だそうで、
実際には「はきようよう」ではなく
「はっけよい」と発音されるため、
あまり説得力のある説とはなっていないようです。
2つ目が、「早く競いなさい!」と言う意味から、
「早競へ(はやきほへ)」が転じて、
「はつきょい」⇒「はつけよい」になったとする説です。
最後に、3つ目が、
「当たるも八卦当たらぬも八卦」という
諺に出てくる「八卦」を語源とする説です。
「八卦」というのは中国の古い思想において、
自然界の万物の現象を表す言葉です。
この八卦が良い状態にあると言う意味から、
「八卦良い(はっけよい)」となったとする説で、
この説が最も一般に広まっているのだそうです。
次に、「残った」ですが、
この言葉は力士がワザをかけているときの掛け声で、
「頑張って残れ!」という意味だとされています。
ということから、
「はっけよい、残った」という掛け声は、
最も一般に広まっているという第3説から、
「すべてが良い状況にあるぞ、頑張って残れ!」
と言う意味になるのでしょうか。
しかし、この「はっけよい」という掛け声に関しては、
動きが止まってしまっている状態から
動くようにとの求めをしているものであるから、
動詞の命令形であると捉えるのが一番自然であるとし、
2つ目の説、「早く競いなさい!」というのが
最も適した解釈ではないか、とする考え方もあるようです。
この説に従うと、
「早く競いなさい! 頑張って残りなさい!」
と言う意味になるのでしょうか。
ここまでで、行司の掛け声として最も有名な
「はっけよい、残った」の意味を考察してきました。
しかし、ここで紹介した諸説のどれもが、
確証を持った説と断言は出来ないのが現状のようです。
まとめ:行司の掛け声について
今回は、行司が発する掛け声について、
「はっけよい、残った」を中心に
色々なものを見てみました。
そして、一番印象的な掛け声であり、
お相撲と言えば真っ先に連想される
「はっけよい、残った」という
掛け声の意味について諸説を取り上げ、
その意味について考えてみました。
結果としては、この掛け声の語源を示す
確かな説がどれであるかは、
ハッキリしないのが正直なところです。
しかしこのように、相撲界において用いられている、
普段、何の疑問も持たずに聞き流してしまっている
言葉の意味を追究してみることは、結果的に、
相撲の深い理解につながるのかも知れませんね。
[…] 大相撲・ファンの為の応援ブログ 世界の民謡・童謡 All About を参考にしたよ。 […]