雲竜型と不知火型の違いと、それぞれを選んだ力士について
横綱は、
大関以下の関取とは異なり、
露払いと太刀持ちを従えて、
1人1人土俵入りを行います。
その横綱の土俵入りの型には、
「雲龍型」と「不知火型」の
2通りがあります。
ただ、この二つの方の違いについて
正確に理解している方は
そう多くはない気もします。
そこでこの記事では、
このそれぞれの土俵入りについて、
分かりやすくご紹介します。
雲龍型とは。過去に選んだ力士は?
この雲竜型は、
「雲龍久吉」が行っていた
土俵入りの型を起源としているものです。
この型は、せり上がりの時、
左手を胸の近くに当てて
右手は伸ばす形の土俵入りで、
綱の結び方は、1輪になっています。
そして、横綱の大多数が、
この型の土俵入りを選択しています。
この雲龍型は、不知火型に比べ、
縁起の良い型とされています。
ただ、横綱在位場所数最短の
前田山と2位の三重ノ海も
この型を選んでいたことあります。
ですので、雲竜型を選んだとしても、
必ずしも縁起が良いとは
なかなか言い切れないようです。
また、横綱の所属する部屋が、
出羽海一門、高砂一門、時津風一門の場合は、
全員が雲龍型を選択しています。
この型の土俵入りを行ってきた主な横綱としては、
大横綱と言われる双葉山をはじめ、
大鵬、北の湖、千代の富士などが、
この雲龍型の土俵入りを行っていました。
また、近年では、
曙、貴乃花、武蔵丸、朝青龍が
この土俵入りを行ってきました。
ただ、朝青龍の引退後は、
2014年春場所後に横綱に推挙された鶴竜関が
この雲龍型を選択するまで、
この型の土俵入りをする横綱が
不在の時期が続いていました。
・2017年1月25日追記
また、この度横綱に昇進した稀勢の里関も、
雲龍型を選択されたみたいですね。
かつて雲龍型を選択した元横綱・大乃国の
芝田山親方から指導を受けているとの事。
27日に明治神宮で初披露という予定も決まっており、
無事、成功なさる事を心からお祈り致します。
不知火型とは。過去に選択した力士は?
一方、不知火型は、
「不知火光右衛門」が行っていた土俵入りです。
この不知火型は、せり上がりの時、
両手を伸ばす形の土俵入りで、
綱の結び目は両輪になっています。
主に、立浪一門(現・伊勢ヶ浜一門)や、
二所ノ関一門に所属する横綱が
この不知火型を選ぶとされています。
不知火型はしばしば、
大型力士が披露すると
見栄えのする型とも言われています。
しかしその一方で、
「不知火型横綱は短命」という事も
しばしば言及されています。
実際に、このようなジンクスを発した
玉の海が横綱在位中に
お亡くなりになった事があります。
そして、このジンクスを覆そう、
また、不知火型の継承のためと考えて
この型を選択した琴櫻関や隆の里も、
結果的に短命な横綱となってしまいました、
こうした背景もあって、
「不知火型横綱は短命」というジンクスが
伝え続けられる結果となってきました。
その後も、このジンクスを受け継ぐような
横綱が続いてきましたが、2007年に横綱に昇進し、
現在、大横綱として相撲界を牽引している
白鵬関がこの不知火型を選んでいる他、
日馬富士関も不知火型を選択しています。
現在の在位中の2横綱が同時に
不知火型を選択したという事は、
実は、史上初めてのことなのです。
現在、不知火型を選択した白鵬関が
大横綱と言える程の活躍を見せ続けており、
この不知火型に対するマイナスのイメージは、
近年、薄れつつあるともいわれています。
まとめ:雲竜型と不知火型の違い
雲竜型と不知火型の違いとしては、
雲竜型
・せり上がりの時、左手を胸の近くに当てて右手は伸ばす
・綱の結び方は、1輪になっている
・「縁起のいい」型と言われている
・選択した力士:双葉山、大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍など
不知火型
・せり上がりの時、両手を伸ばす形の土俵入り
・綱の結び目は両輪になっている
・「不知火型横綱は短命」と言及されることも
・選択した力士:玉の海、琴櫻、隆の里、白鵬、日馬富士などが選択
このような事が挙げられます。
ちなみに2015年9月現在では、
鶴竜関が雲龍型を選択したことで、
雲龍型と不知火型の横綱が在位しています。
横綱の土俵入りは、大相撲における
1つの華とも言えるものでありますから、
双方の型の土俵入りを、今後も同時に、
見続けていけたら良いですね!
なお、以下の記事では横綱土俵入りにおける
「露払い」と「太刀持ち」について解説しているので、
興味があればこちらもご覧になってみて下さいね。
※参照:横綱土俵入りの露払いと太刀持ちとは。どうやって決めるの?
稀勢の里関、優勝おめでとうございます。今後も是非優勝回数増やしていって下さい。応援しております。目指すは、双葉山関の、連続69回を、是非越えて下さい。それが、一番の、望みです❗今後、一番期待しております。