相撲で座布団を投げる理由は?禁止なの?持ち帰りはOK?
横綱より格下の力士が横綱に勝ったとき、場内が大歓声の渦で座布団が飛び交うという映像を、多くの方が大相撲中継で見た事があると思います。
しかし、よく放送を聞いていると「座布団を投げないでください。危険ですので絶対に投げないでください」と何度もアナウンスが流れています。
確かに、ブーメランのように座布団が回転して飛び、力士や行事に当たると危険ですよね。
相撲で座布団投げは禁止なのでしょうか。
投げる理由や持ち帰りが許されているのかについてもご紹介します。
相撲で座布団を投げる理由とは?
そもそもなぜ相撲で座布団を投げるようになったのか。
その理由は明治時代にさかのぼります。
当時の大相撲では、ひいきの力士にご祝儀の意味で羽織や帽子を投げ、力士がそのごひいきに返却がてらご挨拶に行くことによって、ご祝儀がもらえるという習慣があったのです。
ちなみに、羽織や帽子の持ち主が分かる理由としては、投げられた物にファンの人の屋号がしっかりと書かれていたから。
こうした習慣は、ご祝儀を投げるという意味で「投げ花」と呼ばれていました。
しかし、この投げ花は、両国国技館が完成したのをきっかけに禁止になり、今でいう「懸賞金」という形に変わったのです。ただ、土俵に褒美を投げ入れる習慣は、座布団を投げるという形で今も暗黙の了解のように残っているのです。
相撲で座布団投げは禁止なのか?
ここで気になるのは、そもそも座布団投げは認められているのかということ。
実は、本場所中の座布団投げは、基本的には禁止なのです。
よくよく考えると、どう見ても危険ですものね。投げる方は「よくやった!」と興奮して力士めがけて投げる訳ですが、土俵の周りには勝負審判の親方たちや、控えの力士、それに「砂被り席」で観戦している一般の観戦者や、高価な機材を抱えているカメラマンもいるのですから。
それにも関わらず、相撲における座布団投げは「座布団の舞」と呼ばれ、恒例行事のように行われています。
そこで日本相撲協会は、2008年の九州場所にて、二人分の座布団をつなげ重くし、さらに紐で固定するという「新型座布団」を取り入れ、座布団が飛ばない効果を立証したのです。
しかし、この新型座布団は他の場所で取り入れることはありませんでした。
座布団の舞がないのは、相撲ファンにとってはとても淋しいですよね。
2010年の九州場所、当時前頭筆頭だった稀勢の里によって白鵬の63連勝がストップした事がありました。この時、当然座布団投げが起きると思いきや、この新型座布団のせいで一枚も座布団が舞うことがなく、賛否両論が起こりました。
※参照:稀勢の里と白鵬の合口や力士としての違いとは。仲はいいの?
これについて、相撲協会は現在にいたるまでさまざまな対策を取っているようです。ただ、かつての投げ花の伝統や相撲ファンの気持ちなどもあり、暗黙の了解になっているのが現状ですね。
相撲で座布団の持ち帰りは許されているのか?
一方で、九州場所以外では座布団が固定されていない以上、座布団の持ち帰りは許されているのかという疑問が起こりますよね。
まず、本場所で座布団の持ち帰りは許されていません。
スタッフジャンバーを着た相撲協会の関係者も目を光らせていますが、相撲ファンはちゃんとマナーを守ります。本場所で座布団を持ち帰ろうとする人はまずいないでしょう。
ただし、巡業は違います。タマリ席といって土俵に近いけど高価なチケットでは座布団もプレゼントのうちの一つとして、記念に持って帰れるようになっています。巡業場所によっては、座布団を入れるショッピングバックまでついてくるところもあるのですよ。
ちなみに、私は巡業にいくと、その巡業でしか買えない○○巡業という座布団を売店で購入し、お目当ての力士にサインをもらって回ります。座布団とマジックを差し出し、サインをお願いすると、遠慮して端っこに書く力士もいれば、真ん中に思いっきり書いてくれる力士もいて、力士の性格がでて面白いですよ。
この記事のまとめ
大相撲で座布団を投げる理由や持ち帰りの是非についてご紹介しました。
座布団投げは基本的に禁止されているのですが、これについては伝統や相撲ファンの気持ちもあり、日本相撲協会も試行錯誤しているのが現状のようです。
持ち帰りは本場所では許されていませんが、巡業ではOKな場合もあるので、もしも地方巡業に参加することがあれば、記念に座布団を持ち帰ってはいかがでしょうか。
なお、以下の記事では巡業で手に入るグッズやお土産について解説しているので、興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。
※参照:巡業で手に入るグッズ、お土産について
座布団は投げる物ではなく座る物ですよ
座布団は相撲協会の備品です。
備品を大切にしましょう!
座布団が力士や行司まで届くことはまずなく、殆どは客席に落ち、当然前を向いて坐っている人を後ろから直撃します。升席にはお年寄りや小さな子供、時には赤ちゃんもいます。正に殺人行為です。
私も数年前、誰かが面白半分に投げた座布団が後頭部を直撃、以来酷いむち打ち症に苦しんでいます。
自分が被害に遭って初めて、座布団は見えないところから飛んでくるものと知りました。
座布団の舞が暗黙の了解であるなら、協会は「責任は負いません」ではなく、防犯カメラを設置し、万が一の事故&訴訟に備えるべきかもしれませんね。
座布団が当たって死ぬ人なんていないよwwwwww