一代年寄とはどのような制度なのか。認められる条件や白鵬はもらえる?

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あなたは一代年寄という
大相撲界の制度を知ってますか?


言葉としてはよく聞くんだけど、
実際にわかっているかというと、
微妙なところなのではないでしょうか。


そこで、この記事では、


・一代年寄とはどのような制度なのか
・一代年寄が認められる条件
・横綱 白鵬が一代年寄として認められなかった理由


この3点について解説していきます。
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一代年寄とはどのような制度なのか


一代年寄について触れる前に、
まず、「年寄」という制度について
簡単に解説してきます。


「年寄」とは、いわゆる大相撲での
親方の資格、免状のようなもので、
これがないと部屋を持って
力士を指導することはできません。

親方の資格は年寄株という名前で
取得、譲渡されています。


正式には年寄名跡と言います。


具体的には、日本相撲協会の
「年寄名跡目録」に記載された
年寄の名を襲名する権利として
定義されています。

人から人へ
譲渡、継承されるものであるのも
大きな特徴です。


そして、この記事で取り上げている
一代年寄は、通常の年寄とは異なり
一代限りであることが特徴です。

そのため譲渡・継承は出来ませんが、
その代わり一代年寄の名跡と別に
一般の年寄株を一つ保有することが
認められる特別な年寄名跡と言えます。


この一代年寄ですが、日本相撲協会の
理事会が特別に認めるもので、
名称には引退時の四股名が
そのまま用いられるのも大きな特徴です。


歴代の一代年寄の襲名が
認められた元力士には、

・大鵬幸喜
・北の湖敏満
・千代の富士貢
・貴乃花光司

この4名がいます。

このうち千代の富士は
一般の年寄り株・九重も保有していて、
そちらを名乗っています。


引退後、年寄として
初めて番付に載る際は、
名前が変わらないにもかかわらず
一般の年寄と同様、氏名の上に
「(四股名)改メ」と書かれます。

これが一般的な意味での一代年寄ですが、
他にも変則的な一代年寄もあります。

引退時に年寄名跡を取得していない
横綱や大関に対して、
横綱は5年間、大関は3年間に限り、
現役時の四股名のまま
年寄を名乗れる制度があります。

これも一代年寄の一種です。


また、過去には、横綱になれば
引退後に自由に一代年寄を襲名したり
あるいは返上したりする事が
可能な時期もありましたが、
現在ではなくなっています。

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一代年寄が認められる条件とは


ここでは現在、
日本相撲協会の理事会が特別に認める
一代年寄が認められる条件について解説します。


現役時代の功績が著しかった横綱が
引退した際、日本相撲協会の理事会が
その横綱一代に限って認めるというのが
一代年寄を名乗る上での基本的な条件
です。

ですから横綱だっただけでなく、
横綱として顕著な成績と業績が
認められた力士
でなければなりません。

これまでの一代年寄の名前を見ても
この条件があるのは明らかです。


功績顕著の目安としては
優勝20回以上とされています。


また、北の湖元理事長は
「年寄の資格は日本国籍を有しているもの」
と明言しているため、優勝回数が
20回以上であるだけでは
一代年寄は認められません。


その例として、モンゴル出身で
日本国籍は取得しなかった元横綱、
朝青龍(優勝回数25回)が挙げられます。

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白鵬は一代年寄として認められないのか?


2021年5月現在、横綱白鵬は、
一代年寄が認められる条件のひとつである
優勝20回以上をはるかに超えた
44回の優勝という事跡を残しています。

しかし、44回の優勝を誇る白鵬ですら
一代年寄の承認を認められていません。


その原因ですが、今のところ
白鵬が日本国籍を取得していないことが
理由と考えられています。



※2021年5月18日
白鵬は2019年9月、日本国籍を取得しています。
日本名は四股名と同じ「白鵬 翔」になっています。


また、それだけでなく、白鵬は近年、
自身の取り組みの審判の結果に
意義を唱えるような発言を行い、
物議を醸しました。

これに対して、
日本相撲協会は反論や苦言を呈し、
いわゆる横綱の品格問題に発展しました。


2021年の4月には、相撲協会の第三者機関である
「大相撲の継承発展を考える有識者会議」が開かれ、
一代年寄には存在意義がないとして、そのの見直しを
八角理事長宛に提言した事が話題となりました。

有識者会議の山内昌之委員長の主張によると、
「一代年寄という制度がそもそもなかった」との事。

背景には、白鵬の「横綱らしくない」行為を嫌う人々の声や、
先に一代年寄として認められた貴乃花氏の協会の退職、
元横綱・朝青龍が20回目の優勝を果たした時に述べた
「俺も一代年寄をもらえるな」という発言が挙げられるようです。

これによって、白鵬が一代年寄として認められる可能性は
非常に低くなったと言っても過言ではありません。

今後、白鵬が日本国籍を取得しても
一代年寄の承認を認められない事が
あるとすれば、この品格問題が
影響するのかもしれません。


ただ、現在の一般的な見通しとしては
白鵬が日本国籍を取得しさえすれば
一代年寄の承認を認められるものと考えられています。


ただ、白鳳は過去44回の優勝を成し遂げた功労者。
有識者会議も、その功績を何かしらの形で称えるといった事は、
検討には入れているようです。

・参照:白鵬は衰えているのか。電撃引退の可能性や引退後の進路は?


この記事のまとめ


一代年寄とは、日本相撲協会の理事会に
特別に認められた年寄名跡のことで、
一般の年寄株とは別に所有することが
認められている制度となります。


一代年寄を認められるには、
優勝回数が20回を越えるなどの
現役時代の功績が著しい横綱である事や
日本国籍を所有していることが
条件として挙げられると言われています。


一方、44回の優勝を誇る横綱・白鵬ですが、
2019年に日本国籍を取得。
しかし、大相撲の継承発展を考える有識者会議は
「一代年寄という制度がそもそも存在しない」
と主張し、白鵬が一代年寄として認められる可能性は
2021年5月現在、ほぼ無くなったと言ってもよい状況です。


白鵬と言えば、引退後も親方として
角界の発展に尽くす気持ちはあるようですが
このままでは、年寄株が取得できず
親方になることもままならない可能性も。


一代年寄をめぐる白鵬の動向にも
今後、より注目が集まりそうですね。

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