大相撲の呼び出しになるにはどうすれば?仕事や給料も解説!
一時の不人気もどこへやら。最近は「スージョ」なる女子まで登場して、ますますの熱戦が続いている大相撲。
その魅力は本場所や地方巡業などの「興行」に集約されていますが、1つの興行を成功させるために、実は力士以外にも大勢の人が協力しています。
「呼び出し」さんもその1人。
でも「呼び出し」さんって、実際にはどんなお仕事をしている人なのがご存知ですか?なるにはどうすればいいのかや、そのお給料についても見てみましょう!
「呼び出し」になるにはどうすればいいの?
呼び出しさんになるにはどうすればいいのでしょうか。
「呼び出し」さんになるには、力士と一緒でまず義務教育を終了した満19歳以上の男子であること、そして相撲部屋に入門する必要があります。親方が「呼出会」を通して相撲協会に申し込む仕組みになっているからです。
ただし、呼び出しさんには「45名」の定員があるため、申し込めば誰でもなれる訳ではありません。
ちなみに、呼び出しさんにも力士と同様に階級制度が敷かれています。トップは「立呼出」(1名)と呼ばれ、以下「副立呼出」(1名)、「三役呼出」(3名)、「幕内呼出」(7名以内)、「十両呼出」(8名以内)となっています。
そして幕下呼出、三段目呼出、序二段呼出、序ノロ呼出と続き、幕下呼出以下の階級では「見習い」の意味を含めてなのでしょうか、定員はないそうです。
「呼び出し」はどんな仕事をしているの?
この呼び出しさんですが、一体どのような仕事をされているのでしょうか。
まずは興業で「力士を呼び出す」仕事です。
「ひ~が~し~、はく~ほ~う~、はく~ほ~う〜、に~し~、かく~りゅう~、かく~りゅう~」といった独特な声は、相撲を見た事がある人であれば一度は聞いた事がある声だと思います。ちなみに、初日から数えて奇数の日は東から、偶数の日は西から読み上げるというルールになっているのだとか。
また、呼び出しさんの仕事で最も重要なのが「土俵作り/整備」です。「土俵を作る」ことから始まって、「取組の合間にほうきで土俵を掃き清める」「乾燥する土俵への水打ち」、さらに「力士への力水・力紙」「塩やタオルの補充と管理」なども呼び出しさんの仕事とされています。
一説によると、ある呼び出しさん(なんと現役)は、「力士の呼び出し」は音痴で有名なのですが、土俵作りに定評があったため、呼び出しの位の1つである「三役呼出」にまで上り詰めたとか。相撲協会が「土俵作り」に力を注いでいるエピソードの1つと言えそうですね。
これらに加えて、呼び出しさんは「太鼓叩き」(触れ太鼓、寄せ太鼓、はね太鼓など)や土俵入りの時の「拍子柝打ち」、「懸賞金の管理」(懸賞幕を持って土俵上を歩く/懸賞金を行司に渡す)、「力士や行司、審判委員の世話」といった仕事も行っています。
いうなれば、「土俵で戦う/裁く」以外のほとんど全てを担っていると言っても過言ではない働きをしているのです。
ちなみに本場所や地方巡業以外の時は、所属する相撲部屋の雑務をこなしているそうです。
「呼び出し」の給料はランクによって異なる
呼び出しさんのお給料ですが、行事や床山と同様、階級によって一定の額が決まっています。
※参照:行司のなり方や階級、ランクについて。給料や年収はどれ位なの?
※参照:相撲の床山の仕事や給料、年収について。なり方も解説!
財団法人日本相撲協会寄附行為施行細則の第81条によると、三役呼出以上で月36万円から40万円未満、幕内呼び出しは月20万円~36万円未満、十枚目呼出は月10万円~20万円未満と、支給されるお給料の額が決まっています。
ちなみに幕下呼出は月70,000円~10万円未満、三段目呼出は月29,000円~70,000円未満、序二段呼出:月20,000円~29,000円未満、そして序ノ口呼出」以下では月1万2000円から2万円未満と、それぞれ定められています。
呼び出しさんには65歳定年制が敷かれており、この事を考えると、仕事の割に少し安い気もしますが、その分やりがいのある仕事なんでしょうね!
この記事のまとめ
「呼び出し」さんになるにはどうすればいいのか、その仕事内容やお給料について解説してきました。
呼び出しさんの仕事は単に土俵上で力士を呼ぶだけではなく、土俵作りや力士などの世話など、本場所や巡業が成功する上で欠かせない役割を果たしておられます。
この呼び出しさんには45名という定員があるため、条件を満たしていたとしても誰でもなれる訳ではありません。
また、行司や床山さんと同じく、お給料も階級によって決まっている仕組みになっています。
最近では、芝田山部屋に所属する啓輔が「イケメン呼び出し」として注目を集めているようです。力士だけではなく、呼び出しさんなどの裏方にもスポットが当たりやすくなった時代だなと実感しますね。