横綱土俵入りの露払いと太刀持ちとは。どうやって決めるの?

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2017年に横綱昇進が決まり、雲龍型による
横綱土俵入りを行う事となった稀勢の里関。

ところで、この横綱土俵入りですが、
左右に力士が2人、座っている事について
疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。

こうした横綱土俵入りの露払い、太刀持ちという役割の概要や、
力士をどうやって決めるのかについてまとめてみました。

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横綱土俵入りにおける「露払い」「太刀持ち」とは?


以下の画像のように、横綱土俵入りの際には
左右にそれぞれ力士が1人ずつ控えていますよね。

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※参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/太刀持ち


このうち、左側の刀を持っている力士を「太刀持ち」と呼び、
化粧回しを持って右側に控えている力士を「露払い」と呼びます。

まず「太刀持ち」ですが、歴史上の武将や大名の後ろに
刀を持って控えている小姓が由来
とされています。

太刀持ちが使う刀ですが、人を斬るような刀ではなく、
竹を削ったものを刀に見立てた
「竹光(たけみつ)」と呼ばれる刀を
使用されるケースが中心となっています。

かつては本当の刀が使用されていた時期もあったのですが、
戦後GHQによって真剣の使用が禁止されたという説も残されています。


一方の「露払い」に関しては、
横綱などの偉い人が歩く道を先に進む人で、
露で汚れている草花に偉い人が触れない為に
置かれた役割
をその由来としています。

「露払い」という役割は横綱土俵入り以外にも見られており、
天皇陛下など皇族の方が乗る列車の安全を確保する為に、
こうした列車の前に予め別の列車を走らせておく事を、
「露払い列車」と呼ぶケースもあります。

後に控える偉い人を引き立てる役割だと考えてもいいでしょう。


ですので、横綱土俵入りを行う為に土俵へ進む順番としては
「露払い→横綱→太刀持ち」という順番になっているんですよね。
(厳密には、露払いの先に行事が進む事となっています)


また、露払いと太刀持ちの関係としては、
より番付が上の力士が太刀持ちを努める事となっているため、
一般的に後者の方が上だとされています。

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横綱土俵入りの露払いと太刀持ちはどうやって決めるの?


ところで、横綱土俵入りの露払いと太刀持ちですが、
一体どうやって決めるのでしょうか。

一門の力士から選ばれているのか・・・?


これについては基本的に、横綱と同じ部屋に所属している
番付が幕内で、かつ関脇以下の力士が選ばれる
傾向にあります。

同じ部屋に大関がいても、選ばれる事は原則ありません。

例えば貴乃花親方が現役時代行った土俵入りにおいて、
同じ二子山部屋の大関だった貴ノ浪が横綱土俵入りの
露払いや太刀持ちに選ばれたケースはありませんでした。


ただし、こうした条件に当てはまる力士がいない場合は
その横綱が所属する一門の部屋から、条件に該当する力士が
露払いや太刀持ちを努めるケースもありますね。

2017年1月に横綱昇進が決定した稀勢の里関の場合は、
太刀持ちが同じ田子の浦部屋に所属する高安関で、
露払いが田子の浦が所属する二所関一門に所属する
二所ノ関部屋の松鳳山関という形になっていました。


また、横綱を務めた力士が引退相撲を行う場合、
断髪式を行う前に最後の土俵入りを行う事になっているのですが、
この時、露払いと太刀持ちを努める力士は
現役の横綱が努めるという事が慣例となっていました。

この場合は、一門の力士ではないんですね。


ただし、横綱がいない場合や休場している場合は、
部屋や一門が同じ力士がこの2つを努めるケースもあるなど、
上記の慣例は薄れつつあります。

2010年に元横綱・朝青龍が引退した時は、
同じ高砂部屋に所属していた朝赤龍関が露払いを務めており、
また太刀持ちに関しては、所属する高砂一門とは全く関係のない
当時大関だった日馬富士関が選ばれたケースもあります。

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この記事のまとめ


横綱土俵入りにおける露払いと太刀持ちについて、
どうやって決めるのかも含めご紹介しました。

太刀持ちや露払いを務める事で手当はつかないものの、
選ばれた力士にとっては非常に名誉な事だと言われています。

横綱と同じ部屋に該当する力士が居ない場合は、
選出基準が一門にまで広がりますので、
「もしかしたら自分が選ばれるかも!?」
と期待している幕内力士も少なくないかもしれませんね。


なお、以下の記事では横綱土俵入りの型である
雲龍型と不知火型の違いについて解説しているので、
興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。

※参照:雲竜型と不知火型の違いと、それぞれを選んだ力士について


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