女子相撲の歴史や競技人口について。段位や階級はどうなってるの?
女性が相撲をとる!?と言われて
違和感を感じない方はまだ少ないと思います。
しかし最近では、女性がとる相撲「女子相撲」が
話題になる事も増えてきました。
そこでこの記事では、
・女子相撲の歴史について
・女子相撲の競技人口について
・女子相撲の段位、階級について
こちらの三点をちょっと覗いてみましょう。
女子相撲の歴史について。競技はいつから始まったの?
まず、女子相撲の歴史を紐解いてみましょう。
女性が相撲をとる「女相撲」についての記述は、
古くは奈良時代に成立した歴史書である
「日本書紀」にも見られていました。
また、中世の説話にも
女性が相撲をとる事が述べられているのですが、
少なくとも当時は、女性が相撲をとる事は
あまり期待はされていなかったそうです。
しかし、江戸時代中期になると、
女性が相撲をとる女相撲が
興行目的で行われる様になったそうです。
当時の女相撲を行っていた女性力士たちは
美人が少ないことから、世の男性達からは
飽きられてしまいがちのスポーツだったとか。
そこで、女性力士を盲人の男性と
取り組ませてみた所、その評判は高まり、
女相撲に関する滑稽本が流行したそうです。
ちなみに、当時の女子相撲の衣装は
男性と同じく上半身は裸だったとか。
今じゃ考えられないですよね……
さすがに、こうした風潮は明治時代になると
上半身裸はもちろん、男性との取り組みも禁止され
女子相撲は一時、消滅の危機に陥ったのですが、
明治30年代頃から女相撲の興行団が結成され、
中には全国を渡り歩く団体もあったそうです。
ちなみに、ここで挙げた「女相撲」と、
現在行われている「女子相撲」の2つは
全く異なるものです。
この「女子相撲」に関してですが、
私たちが見ている「大相撲」とは、
違う競技であるかのように扱われています。
元々、相撲をオリンピックの正式種目にするために、
日本相撲連盟が女子相撲の普及をもくろんで、
1996年に「日本新相撲連盟」という団体を
発足させたのが、この女子相撲が成立した
そもそものキッカケと言われています。
どうやら、現代の日本では女性が相撲をとる事に
抵抗感を覚える人が多いという事情から、
既存の大相撲とは異なる「新相撲」として
この女子相撲を位置づけたかったのだとか。
また、この「日本相撲連盟」ですが、
扱うのは国内のアマチュア相撲であり、
大相撲を統括している「日本相撲協会」とは
異なっている団体です。
そして、
この「日本相撲連盟」の傘下にある団体が、
前述した「日本新相撲連盟」という事になります。
・日本相撲連盟:アマの男性
・日本新相撲連盟:アマの女性
(現在では「日本女子相撲連盟」に名称を改称)
・日本相撲協会:プロの男性
まとめるとこんな感じでしょうか。
女子相撲の競技人口はどれくらいなのか
では、この女子相撲の競技人口は
一体どれくらいなのでしょうか。
日本における女子相撲の競技人口は約1100人で、
その人数も少しずつ増加しているのだとか。
中でも立命館大学の相撲部は
女子相撲にかなり力を入れているようで、
全日本女子相撲選手権を4連覇しています。
ネットでは少し前に、この立命館大学相撲部の
野崎舞夏星(まなほ)選手がカワイイ!という事が
話題になったこともありました。
こうした知名度がある選手が現れると
「私も相撲がやりたい!!」って言う女の子も
少しずつ増えてきそうな気がしますね。
なお、女性が相撲をとる際は、
「レオタード」(小中学生は無地の水着も可)の上に
「まわし」をつけるのが正式な競技服となっています。
男性選手とは異なる着衣を定めたり、
試合時間も、男性力士の場合だと、
5分で勝負がつかないと取り直しとなりますが、
女性の場合は、この時間が3分となっています。
こうしたルールが異なる背景には、
女子相撲の競技人口を増やし、
競技の普及を図るために、
女性への配慮が成された事情があるそうです。
女子相撲の段位や階級はどのようになっているの?
では、女子相撲の段位や階級は
一体どのような仕組みになっているのでしょうか。
まず、段位についてですが、
初段から十段まであり、
年に2回、日本相撲連盟が認定を行っています。
次に、女子相撲の階級区分は、
全国大会である「全日本女子相撲選手権大会」では、
2014年から国際大会の階級分けに対応した
次の5階級に分けて、競技が行われています。
1.超軽量級(50kg未満)
2.軽量級(65kg未満)
3.中量級(80kg未満)
4.重量級(80kg以上)
5.無差別級
競技自体は、基本的に
各階級内でトーナメント戦で行われますが、
参加人数により総当たり戦もとられるそうです。
また、三人で1チームを作っての
団体戦も実施されています。
まとめ:女子相撲について
女子相撲の歴史は古く、日本書紀という
奈良時代に書かれた歴史書に記載があったり、
また、江戸時代中期には興行目的で
女相撲が盛んに行われていた経緯もありました。
現在、女子相撲の競技人口は1100人で、
その人数も少しずつ増加しているのだとか。
なお、女子相撲の段位は初段から十段まであり、
また階級については、超軽量級から無差別級まで
5つのランクに分けられているそうです。
以上のように、「女子相撲」は
オリンピックの正式種目を目指して活動している
列記とした1つのスポーツ、競技です。
大相撲の人気が回復してきている現在、
女性が相撲を楽しむパターンとして、
自身が実際に相撲をとるという選択肢もあるようですね。
いずれにしても、女性も色々な立場で、
相撲を大いに楽しみましょう!