相撲部屋の女将の仕事について。若者頭や世話人って?
現在、相撲部屋は44の部屋がありますが、部屋によって人数も規模も様々です。
親方がいて、女将がいて、大勢の力士と、行事、呼出、床山、若者頭、世話人までいる大所帯や、親方と女将と数人の力士しかいない部屋もあります。
今回はその中から、女将さんの仕事、および若頭と世話人の役目を簡単に紹介しますね。
相撲部屋の女将さんの仕事について解説
相撲部屋は多くの人が共同で生活しているので、よく親方がお父さんで、女将はお母さんと例えられる場合も多いですよね。
でも、女将さんの仕事はお母さん以上に大変なものなのですよ。
お母さんの仕事といえば、食事を作って、掃除をして、洗濯してみたいなイメージですよね。
でも相撲部屋では、食事の準備、掃除、洗濯などはすべて番付が低い部屋の力士がします。
「それなら女将さんは何をしているの?」って思っていませんか。
若い衆が全部してくれるから・・・実は楽なのではないの?って。
とんでもありません。
こんな事まで女将の仕事なの!って驚くくらい、女将は幅広く仕事をこなしているのです。
親方のスケジュール管理や、部屋の取材など広報の対応は全て。他にもタニマチさんやご近所との付き合いをはじめ、差し入れに対して全てお礼状を書き、番付が発表されると後援者にそれを郵送したり・・・部屋の経理もすべて女将さんの仕事です。
また、新しく入門してきた弟子の世話やお小遣いの管理、厳しい稽古に耐える弟子のメンタルを支えるのも女将の仕事。悩みがあれば相談にのり、熱が出れば病院に連れて行き、あまりの稽古の厳しさに逃げ出す弟子を迎えにいくのまでもが女将の役目。
まさに「お母さん」ですよね。
また、ここ最近の相撲ブームで相当増えているであろう電話での問い合わせや、訪ねてくる後援者やファンの対応もすべて女将さんがしています。
まさに相撲部屋の縁の下の”大大大”力持ちですね。
若者頭とは何か
相撲ファンの中では、行事や呼出、床山さんについては知っているけど、若頭や世話人になると「??」と思われる方も少なからずいるのではないでしょうか。
若者頭とは、幕下力士の監督や稽古の指導をする人です。
また、本場所では取組の進行係や雑用も行います。
定年は65歳で、定員は8名と定められています。8名しか若者頭がいないということは、相撲部屋44部屋のうち8部屋にしか若者頭は所属していないという事になります。もちろん一門同士の練習などで他の部屋の幕下の指導も行います。
なお、かつては最高位が幕下である力士でも若者頭になる事ができたのですが、ここ最近では年寄名跡が不足している事情もあって、現在の若者頭は8名全員幕内力士や十両力士といった関取経験者になっているという事情があります。
世話人とは何か
一方の世話人とは若者頭と同じように、年寄名跡を襲名して親方になる力士以外の力士で、現役力士を引退し世話人として相撲界に残り、若者頭の助手などをつとめる人です。
定年は若者頭と同じく65歳で、定員は13名と定められています。
相撲部屋に所属しており、部屋や土俵、巡業における雑務をするのが主な役割となっています。本場所になると相撲用具の運搬や保管といった管理業務を行っています。
現在の世話人の殆どは十両、幕下経験者の元力士で、かつ20年近く力士生活を務めた人々で占められています。年寄名跡を取得できず、かつどうしても角界に残りたい!という気持ちがある人が世話人になってるケースが多いみたいですね。
この記事のまとめ
「相撲部屋の人々」というテーマで、女将の仕事や若者頭、世話人について解説しました。
若者頭や世話人は、人生のほとんどが相撲なのですね。まさに「相撲人生」と言っても過言ではない人々だと感じます。
その一方で、女将さんのインタビューを見ると「まさか自分が部屋の女将になるとは」とか、「こんなに大変だと知っていたら、ならなかったわ(笑)」などの記事を読んだことがあります。
女将さんにとっては思いもよらぬ人生になったのかも知れませんね。