押し出しと寄り切りの違いは?得意とした力士も解説!
相撲の決まり手の中で特に有名な「押し出し」と「寄り切り」ですが、この2つの違いについて正確に説明できる方はそう多くはないかもしれません。
この2つは一体何が違うのでしょうか。
押し出しと寄り切りの違いについて説明すると共に、それぞれを得意とした力士について見ていきたいと思います。
押し出しと寄り切りの違いをわかりやすく解説
押し出しと寄り切りの違いを簡単に言うと、対戦相手を土俵から押し出した時にまわしを持っていれば「寄り切り」になり、持っていなければ「押し出し」になります。
つまり、この2つの違いはまわしを取るか取らないかという事になります。
ちなみに、相撲の決まり手の中で、最も多く使用されているのが寄り切りです。
2014年に開催された幕内の全取組6場所/全1828番の取組のうち、寄り切りが決まり手となった相撲は約3割の542番にのぼるそうです。
2位は332番(約18%)で押し出しになっており、この事から、半分近い取組が寄り切りか押し出しで勝敗が決していることになります。
寄り切りを得意とした力士について解説
寄り切りは、まわしを持つことで相手の体を少しでも持ち上げて、踏ん張りが利かないようにして押していこう、という狙いがあると言われています。そうして体勢を崩しておけば、そのまま上手投げや下手投げなどに移行することもできます。
つまり、立ち会いで4つに組んだ時にまわしを持てた力士が、そのまま土俵外に押し出すと「寄り切り」という決まり手になるということです。
このように、相撲の基本とも言える決まり手だけに、北の湖や千代の富士といった昭和の大横綱や、貴乃花、朝青龍、白鵬など平成の横綱、さらに現役力士のほとんどが寄り切りを最多の決まり手にしています。
その中で現役力士の中では大関・琴奨菊をはじめ、栃ノ心、旭秀鵬、魁聖などが寄り切りを得意にしていると言われています。中でも栃ノ心は57%、琴奨菊は54%の決まり手が「寄り切り」になった時期がある程です。
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押し出しを得意とした力士について解説
一方の押し出しは、胸や肩などを手で押して相手を外に出す形を典型例としています。
たとえ相手を土俵際に追い詰めるまではまわしを持っていたとしても、土俵から外に出す瞬間にまわしを持っていなければ押し出しということになります。
現役力士の中では栃煌山、豊響、臥牙丸などが得意としているそうです。
少し考えると、押し出しは体格の良い力士が有利な技と捉えがちですが、190kgを超える体重の臥牙丸は別にして、栃煌山は約150kg、豊響も約160kgと幕内の平均体重(162kg)以下です。さらに幕内最重量力士である逸ノ城の最多決まり手が「寄り切り」であることから考えても、そうとばかりは言えないようです。
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なお、過去の力士の中では第64代横綱、曙にとって最も多い決まり手が「押し出し」でした。
これらを考え合わせると、押し出しは、体格の良い力士にとって有利な技ではあるようですが、それと同じくらいタイミングや勢いも重要な決まり手と言えそうです。
この記事のまとめ
押し出しと寄り切りの違いについてご紹介しました。
簡単に言うと、相手を土俵から押し出した際にまわしを持っていれば寄り切りに、持っていなければ押し出しと判定される事になります。
また、それぞれの決まり手を得意とする現役力士としては、
・寄り切り:琴奨菊、栃ノ心、旭秀鵬、魁聖
・押し出し:栃煌山、豊響、臥牙丸
このような面々が挙げられるので、相撲観戦をする際はチェックしてみてはいかがでしょうか。