結びの一番の意味と時間は?行司や呼出の言葉についても解説!
大相撲の最後に行われる「結びの一番」ですが、その裏にはどのような意味があるのでしょうか。行われる時間についても正確に知っておきたいですよね。
結びの一番の際に、行司や呼出さんが普段とは違う言葉を発する事にも注目です。
彼らの口上にも触れながら、結びの一番の詳細をより深く追求してみましょう!
結びの一番の意味と行われる時間について
大相撲で大体17時30分過ぎ、その日の最後に行われる取組を「結びの一番」といいます。
言い換えると、その日の興行の締めという意味になるでしょうか。
日本人の傾向である「終わり良ければ全て良し」という考えから、この結びの一番は特に重要な意味に位置づけられており、横綱の取り組みがほぼ必ず見られるようになっています。
ただ、時間については進行が遅れれば18時近くなることもあるようですが、これはテレビ中継しているNHKとの兼ね合いもあって決まったそうです。その他の時間帯としては、昭和30年の9月場所で「ナイター興行」が行われてた事がありましたが、力士がコンディション作りに苦戦しただけでなく、けが人も続出したため、1場所で中止になりました。
結びの一番がどれほど重要なのかを示すエピソードを1つ後紹介します。
2016年3月場所千秋楽の結びの一番、日馬富士・白鵬戦で、白鵬が立会いの時に変化して勝ち、場内が大ブーイングに包まれた事があります。このエピソードは、白鵬が横綱として堂々と相撲をとって欲しいという意識が観客に強くあったとともに、この取組が「千秋楽の結びの一番」という事情もあったからだと思われます。
「結びの一番」には、それだけ重要な意味があるという事でしょう。
結びの一番における行司や呼出の言葉とは?
結びの一番の時間になると、行司や呼出さんが何かしらの言葉を発してますね。
こうした口上ですが、一体何と言っているのでしょうか。
その意味について、以下で見ていきましょう。
まず、呼出しが「とざい、とーざい(東西)」といった言葉を述べ、観客の注意を引きます。続いて行司が対戦する力士を紹介するのですが、普通の取組では三役以上の力士の場合は四股名を「かなた」「こなた」を付けて二声(力士の四股名を2回繰り返すこと/十両最後の取組も二声)を発するところ、結びの一番では、その前に「番数も取り進みましたるところ」とつけるのが慣例になっています。
また、呼上げが呼び上げを終了した後には「この相撲一番にて、本日の打ち止め」(「この相撲一番にて千秋楽」の場合もあります)と独特のふし廻しで呼上げ、最後の取組であることを観客に告げることになっています。
ちなみに千秋楽では、この台詞が「この相撲一番にて千秋楽にござります」もしくは「この相撲一番にて千秋楽」に、天覧相撲や台覧相撲では「この相撲一番にて、本国の結び」にそれぞれ変わります。
大相撲観戦をする際には、こうした言葉にも注意を払ってみて下さい。
「あっ、こう言ってるんだ!」という事がわかると思いますよ。
この記事のまとめ
結びの一番の意味や行われる時間、行司や呼出が発している言葉についてご紹介しました。
結びの一番には、単なるその日の取組のメインイベントという意味合いを越えたものがあります。横綱による取組が取り組まれるため、幕内上位へ昇進した力士がはじめて結びの一番を経験する場合は、非常に緊張して取組を行うのでしょうね。
こうした力士の心情はもちろん、力士や呼出さんが発する言葉にも注目すれば、結びの一番の鑑賞をより深く味わえるのではないでしょうか。